最近上司に「やりがいを持って仕事しよう」って言われるけど、やりがいって言っても、よくわかんないんだよなぁ。
人間って大変やな。
働いているだけで大変やのに、その上やりがいまで求められるとは。
ところで、”やりがい”ってどういう意味や?
そりゃ、やってて楽しいとか、感謝されるとか...
確かにどういう意味って言われると、説明しにくいな
もしかしたら、この本の中に答えがあるかもしれへんで。
大衆が考える「仕事」とは少し違った角度から考えられていて、おもろいで。
この本をぜひ
ということで、今回はこの本を紹介します。
現役小説家が書く、仕事とやりがいについての本。
働いて数年経ち、このままでいいのか、この先どうしようか、と考えている人ほど読んでいただきたいと思います!
どんな本?
この本が出版されたのが、2013年で10年前。
今でこそ、ワークライフバランス、個々人の働き方が重視され始めましたが、10年前はまだ仕事に人生の重きを置く風潮があった時代。
そんな中、ミステリー小説等を書き、成功し、1日1時間労働の生活を送っている小説家が仕事の向き合い方、人生の楽しみ方を説いた本。
この本を読んだら、きっと「仕事」という言葉への自分の考え方が少し変わって、楽に考えられると思います!
ポイント
そもそも仕事とは何か?
仕事って、何でしょうか?
働いた対価として、お金を得ること?
目的のために何かをすること?
付加価値を作ること?
この本では、面白い視点から仕事をとらえています。
例えば、洗車や床掃除といったことを”仕事”という人もいますが、
いや、仕事には入らないでしょという人もいます。
しかし、テレビを見るという行為は明らかに”仕事”には入ってきません。
仕事というのは、抽象的に表現すると、「したいという気持ちはそれほどではないけれど、それをしないと困ったことになるからするもの」ということになる。
「やりがいのある仕事」という幻想 p.30-31
なるほど、確かに頷けますね。
仕事をしないとお金が入ってこず、生活ができなくなって困るから、仕事をするということになります。
また、この本の中で、仕事が楽しくて、やりたくてやりたくてたまらない人がいて、自慢してくる人がいる。
それは仕事が辛いという常識があるからこそ、自慢したくなるのだ、と考察されています。
常識的に”辛いもの”だけれども、やらないと生活に支障をきたすもの、それが仕事だということですね。
何とも悲観的なように思えますが、本質をついているような気がします。
働かない方が人間的
このような仕事への価値観の中で、著者は無理に働く必要はないと主張しています。
そもそも、就職しなければならない、というのも幻想だ。人は働くために生まれてきたのではない。どちらかというと、働かない方が良い状態だ。働かない方が楽しいし、疲れないし、健康的だ。
・・・
ただ一点だけ、お金が稼げないという問題があるだけだ。
「やりがいのある仕事」という幻想 p.51
誰もが一度は働かずに遊んで暮らせたら…と考えたことはあるはずです。
でも、現実問題、お金がないと困るし、働かざるを得ない、働くことが普通だと思い込んでいます。
しかし、働かない方がむしろ、人間として、普通だし、良い状態だと著者は言っています。
お金が稼げない。という課題をクリアしている人は働かなくても良い。働いても良い。もはやそれは趣味の領域になってくる。ともいわれています。
僕たちはなぜか働くことが正義で、一生懸命働かずにお金を得ることは悪だと考えてしまいます。
しかし、この常識、どこからくるんですかね。ということをこの本を読んで気付かされました。
親、メディア、教育...
小さい頃から色々な情報をインプットしていく中で、そう言った常識が形作られてきたのだと思います。
常識って何なんですかね。
確かに働くって、世間が考えているほど、重要なのか…と思えてきました。
”仕事”とどう向き合うか
では、そんな仕事とどう付き合っていけば、良いのか。
まず、本書において、仕事とはお金を稼ぐことが目的という前提があります。
これを踏まえて、著者はまず選んだ仕事が将来的にどこまで稼げるのか、どれくらいポジションが上がる可能性があるのかを考えて仕事選びをした方が良いとありました。
また、将来的に大きなリターンを得るために”投資”という考え方を常に意識して、”勉強し続ける”姿勢が大事だとも書かれていました。
読書も投資の一つとして、重要だと言われていたので、こういった本を読むこと自体、投資につながると考えられますね。
お金を稼ぐための仕事をする一方で、それをさらに増やすために投資的思考を常に持っておく、というのがとても大事ですね。
読後感想
働いて、数年たち、このままで良いのか?と考えた時にふと目に止まった本書。
大多数の働き方からは違う働き方をしている森先生だからこそ、周りの人が言っている仕事への考え方とは違う見方が書かれていて、ハッとさせられる言葉がたくさんありました。
どこか、仕事というのを美化しすぎていたような気がしています。
仕事をするのが、当たり前。
やりがいを感じて働くことが良い状態。
バリバリ仕事をしている人はかっこいい。
僕はこんなことを考えていましたが、果たしてそうなのだろうか?と少し視点をずらして考えらるようになった気がします。
仕事について、悩んでいる人には、自分の仕事観を少しずらして観察できるようになる、そんな本なので、ぜひ、読んでみてください。
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