ビジネス書って、現実世界に使えてなんぼだと思うけど、効率的な読み方ないかな。
確かにビジネス書、実用書と言われるものはその知識を使ってこそ、真価を発揮する。
読みながら、仕事を進めることもあるから、早く読むことも求められることがあるな。
そんな人にぴったりな読書術を紹介しよう。
この読書術に合う本のジャンル
新潮社の分類を参考にすると、こんなジャンルの本が合います。
- ビジネス、経済
- サイエンス、テクノロジー
- 趣味、実用
この読書術を使って読むと?
これから紹介する読書術で本を読むと、こんな良いことがあります。
- 1冊読むのが早くなる
- 必要な知識が最短ルートで得られる
- 本の内容の記憶がしやすくなる
- 本の紹介がしやすい
- 読んだ本からの考察ができる
どうでしょうか?
こんなメリット満載の読書術を身につければ、本をたくさん読めるだけでなく、読むだけで終わりにならない”身になる読書”ができます。
抜群に効率的な読書術
さて、早速紹介していきます。
その前にこの読書術はあるテクニックを使います。
マインドマップでまとめる
マインドマップというのをご存知でしょうか?
イギリス人著述家のトニー・ブザン (Tony Buzan)氏が、1970年前後に考案し、世界中で使われるようになった思考ツールです。
詳しいやり方を学びたい方はこちらの本がおすすめですが、やることはとってもシンプルです。
マインドマップの作り方は、紙またはブランクのページを用意して、真ん中に思考したいテーマを書き、そこから連想されるものや質問を考え、線を分岐させ、樹形図状に思考を広げていきます。
...と言っても分かりにくいと思うので、「旅行どこいくか?」を考える時の例を見てみましょう。
こんな感じで、大きなテーマから、徐々に細かいテーマに分岐させて思考をしていきます。
さて、基本ツールを紹介したところで、具体的なステップを見ていきましょう。
全体像
まず、最終形を見ていきましょう。
これに従って、まとめた時にはこのような感じになります。
例示として、「影響力の武器」をまとめたものを示します。
いかがでしょうか。
要点がしっかりまとめられているので、これを振り返るだけである程度の内容はすぐに思い出せます。
Step1 1階層目までマインドマップを作る
まず、マインドマップのテンプレートを作っておきます。
真ん中に本のタイトルを置き、6つの項目を枝分かれさせます。
- なぜこの本を読むのか?
- 気になる目次は?
- 読了後、どうなっていたい?
- 得られた知識は何か?
- その知識を他に当てはめるとしたら、どんな仮説や示唆が得られるか?
- これから何をするか?
紙でやっていただいてもOKですが、僕はいつもXmindという、マインドマップのフリーソフト(有料版もあり)を使っています。
また何かのタイミングでソフトの紹介もしますね。
Step2 左側の項目を考える
2-1 なぜこの本を読むのか?
まずは、その本をなぜ読むのか、その理由をはっきりさせておきます。
スキルを身に付けたいのか、悩みを解決したいのか、利益を得たいのか...
漠然と読む始めるよりも、ここを認識するかどうかで読書の質が違ってきます。
ある人に紹介されたから…なんてこともあるでしょうが、それでもそれ以外に何をその本から得たいのかを考えてみましょう。
2-2 気になる目次は?
この項目を考えていく前に、「はじめに」「序論」があれば、熟読します。
そして、それが読み終わったら、「おわりに」「あとがき」を熟読します。
このように、はじめとおわりを読むことで、頭の中に本全体のロードマップを作ります。
「はじめに」では、著者がその本を書いた背景のほか、○章ではこんな内容を紹介しますと言った前振りがあり、「おわりに」では、本の内容のサマリーが記載されています。
これらを読み、自分の知っている内容と知らない内容がどこに書いてあるのかを俯瞰します。
そして、大事なのは「自分が知らない内容」
ここにフォーカスして読んでいくので、非常に重要な工程です。
次に目次を読んで、気になるところをピックアップしておきます。
目次に並んでいる単語で知らないものやここはモロに知りたいところが書いていそうだなと思ったら、マインドマップの枝を伸ばして目次を書いていきます。
2-3 読了後、どうなっていたい?
Step1でその本を読む理由を書いたので、重なる部分はあるかも知れないですが、Step2で本の全体像を把握したうえで、本を読み終わったら、どんな自分になっていたいか、どんな結果を得ていたいかを枝を伸ばして書いておきます。
これを意識して、読書しながら、これに役立つ情報を引き出していくので、しっかり書きましょう。
そして、枝を伸ばす数は3〜5をおすすめします。
なぜかというと、マジックナンバー4±1というものがあり、人間が短期記憶として、記憶できるのは、この数という研究結果が出ているそうです。
Step3 さぁ、読もう!
さて、これで読む準備が整いました。
読む前にかなりの時間を要しますが、この作業が読書効率を高めるので、ぜひ手を抜かずやってみてください。
読むときは、「気になる目次」で挙げた箇所から読んでいきます。
目次を飛び飛びに読むことになると思いますが、それでOKです。
そして、「読了後、どうなっていたい?」で書いたものを意識して、それに役にたつ情報を拾い上げていくようなイメージで読んでいきましょう。
Step4 得られた知識は何か?
本を読んで、これは!と思った情報をまとめていきます。
その都度書き込むのも良いのですが、おすすめは、小さな章ごとにまとめることです。
そして、マインドマップを書き込むときは本を見ずに、思い出しながら、書き込んでいき、どうしても忘れられなかったら、本に戻りましょう。
思い出す行為、そして、もう少しで思い出しそう...くそっ思い出せない!という悔しさ、感情が記憶に残しやすいコツです。
Step5 その知識を他に当てはめるとしたら、どんな仮説や示唆が得られるか?
ここから応用編です。
Step5からは読み終わった後の作業です。
Step4で本の知識を得ました。
その本から学んだ知識を他の領域に広げたら、どうか?と考えてみてください。そう!
領域展開!!
...冗談はさておき、その知識の転用、仮説を立てていきます。
例えば、「影響力の武器」では、”人は機会を失いかけるとその機会をより価値あるものだと考える”という科学的データが出ています。
例えば、「期間限定商品」とついたものがあったら、他で代わりの通常商品があったとしても、なんか買わなきゃという心理になりますよね。
「数量限定」というのも同じですね。
これって、他に当てはまるかな?と考えるのです。
そして、考えたのがswitchの品薄で、一時期定価よりも高く取引されていたことが思い浮かびました。
ちょうど影響力の武器を読んでいた頃、switchが人気すぎて、なかなか手に入らず、子供の要望に応えようとしている親は奔走していたのです。
swichが定価で入手できれば、かなり希少な機会となり、入手できなかった人たちは、どうしても手に入れたいという感情になるでしょう。
場合によっては、クリスマスには用意できなかった親が買えるようになったら買うというコミットメントも成立してしまうと考えられます。
このコミットメントというのも、影響力の武器の中にあり、おもちゃメーカーはクリスマスシーズンに人気のおもちゃをわざと在庫を抑え、代わりのおもちゃを用意しておき、親がクリスマスがすぎて買えるようになったら、買うと子供に約束させ、再度人気のおもちゃを復活させるという戦略をとっていることがわかっているらしいです。
このような形で、合っても合っていなくても問題ないので、自分なりの領域展開を使って、他の分野や仮説を立てられないか?と考えてみましょう。
Step6 これから何をするか?
さて、いよいよ締めくくりです。
本から得た知識を行動に移していきましょう。
Step4と5で得た知識や仮説を使って、さらにStep2で考えた読んだあとどうなりたいかに照らし合わせ、具体的なアクションを考えていきます。
私は習慣化の本で「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」という名著があります。
これを読んだとき、痩せたいという目的がありました。
そして、この本で習慣化させるために「AしたらBする」という目標を立てると良いという知識を得ました。
そこで、「トイレに行く前にスクワットを30回やる」というアクションプランを立て、2ヶ月後には5kgほど痩せることができました。
本から得た知識を血肉にするため、ぜひ何をするか?を考えてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
結構時間かかるな...と思うかもしれませんが、慣れたらサクサク作れて、300ページの本1冊なら1日で読めるくらいになると思います。
早く読めることが全てだとは思いませんが、効率よく本を読み、実生活に取り入れていくサイクルを作り上げるためのツールとして、この読書術が役立てていただくことを願ってやみません。
参考文献
この読書術は以下の本からヒントを得て作り上げていったものです。
どれも必読レベルの良書なので、ぜひ読んでみてください!
マインドマップ 最強の教科書/トニー・ブザン
知識を操る超読書術/メンタリストDaiGo
知的戦闘力を高める 独学の技法/山口 周
メモの魔力/前田裕二
最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法/メンタリストDaiGo